フェルメール「真珠の耳飾りの少女」IMG_0490

1.はじめに
 2019年8月17日、マウリッツハイス王立美術館に行ってきた。17世紀オランダ黄金時代の傑作ぞろいと名高い美術館だ。フランスまでは何度も来ていたが、オランダは初めてであった。訪ねた美術館は、デン・ハーグでは、このマウリッツハイス王立美術館、エッシャー美術館、アムステルダムでは、アムステルダム国立博物館、ゴッホ美術館である。
マウリッツハイス王立美術館は、1822年に王立美術館として開館。アムステルダム国立博物館と並びオランダを代表する美術館。17世紀建造の美しい建物内にフランドル絵画の名作が揃う。日本でも有名なフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」や「デルフトの眺望」、レンブラントの「テュルプ博士の解剖学講義」などオランダ黄金時代の至宝の数々を鑑賞できる。


【マウリッツハイス王立美術館外観】
外観IMG_0489


2.チケット予約など
【美術館名】マウリッツハイス王立美術館
      The Royal Picture Gallery Mauritshuis )
【所在地】 Plein 29 2511 CS Den Haag オランダ
【最寄り駅】デン・ハーグ中央駅(徒歩10~15分くらい)
【チケット】できれば事前購入しておいた方が安心
  入場料 (2019年10月現在)
  大人 15.5ユーロ
  19歳未満 無料
  日本語マルチメディアガイド 3.5ユーロ

  マウリッツハイス王立美術館公式ホームページ

ホームページには、886点(2019年10月現在)の収蔵作品が高解像度で撮影され、拡大しても細部まで見られます。

【入場券と館内案内図】
入場券とカタログIMG_0887

【豪華な館内】
館内IMG_0514

3.作品
ヨハネス・フェルメール
(Johannes Vermeer  1632年10月-1675年12月)
バロック期を代表するオランダの画家。レンブラントと並ぶ17世紀オランダ黄金時代の代表画家である。 窓からやさしく差し込む光と、反射して輝くところを明るい絵具の点で表現する技法が特徴的。

【フェルメール「真珠の耳飾りの少女」】
フェルメール「真珠の耳飾りの少女」IMG_0490
ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」Johannes Vermeer, Girl with a Pearl Earring, c. 1665

 この作品はフェルメールの最も有名な絵画。光を巧みに操る達人で、少女の顔の柔らかさと、彼女の湿った唇のかすかな光がそのことを表している。輝く真珠の光も微妙なニュアンスで見入ってしまう。
また、ターバンの鮮やかな青は「フェルメール・ブルー」と呼ばれている。ラピスラズリという天然石
に含まれる成分から、このウルトラマリン色の顔料が作られる。

【館内風景】
館内IMG_0492

 館内は空いているので、上記の展示風景のようにゆっくり、間近で鑑賞することができる。


■ レンブラント・ハルメンソーン・ファン・レイン
(Rembrandt Harmenszoon van Rijn 1606年7月15日-1669年10月4日)

 バロック期を代表するオランダの画家。光と影を巧みに構成して若かくして成功を収めているが、
その晩年は浪費癖もあり困窮している。

レンブラント「自画像」
レンブラント「自画像」IMG_0499
レンブラント・ファン・レイン「自画像」Rembrandt van Rijn, Self-Portrait, 1669

 多くの自画像を残しているが、この有名な作品は最晩年のもの。この作品の厚い絵の具の層は、さまざまな人生の出来事を塗りこめてあるようだ。レンブラントの最後の作品かも知れないと言われている。


【レンブラント「テュルプ博士の解剖学講義」】
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レンブラント・ファン・レイン「テュルプ博士の解剖学講義」
Rembrandt van Rijn, The Anatomy Lesson of Dr Nicolaes Tulp, 1632

 この絵画はレンブラントが25歳のときテュルプ博士から依頼を受けて制作した。外科医を中心に三角形の構図になっている。周りの人々は医師や医学生ではなく名士を描いている。彼らの視線がバラバラであり、いろいろ議論されている。実物そっくりの卓越した肖像画で偉大な才能を示している。


【レンブラント「笑う男」】
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レンブラント・ファン・レイン「笑う男」
Rembrandt van Rijn, The Laughing Man, c. 1629 - 1630

 若い時期の作品で、目を輝かせて曲がった歯をむき出しにして笑っている。筆使いは屈託なく自由に描いている。


【レンブラント「羽をつけたベレー帽の男の顔」】
レンブラント「羽の着いたついた帽子の男」IMG_0495
レンブラント・ファン・レイン「羽をつけたベレー帽の男の顔」
Rembrandt van Rijn, 'Tronie' of a Man with a Feathered Beret, c. 1635 - 1640

 羽毛のベレー帽と金の刺繍が施されたマントを着ている兵士。光は顔に明るく落ちており、金属の防具に美しい光沢を投げかけています。光と影の調和が、その空間の雰囲気を醸し出している。


【レンブラント「休息中の旅人」】
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レンブラント・ファン・レイン「休息中の旅人」
Details: Rembrandt van Rijn, Travellers Resting (The Rest on the Flight into Egypt?), c. 1629 - 1630

 建物の影になった所からからの明るい光は、演劇の舞台を思わせる劇的な効果を生み出している。
レンブラントは聖書を題材としている場面を描いているが、この絵もそうだろうか?


【レンブラント「シメオンの賛歌」】
レンブラント「メシオンの賛歌」IMG_0497
レンブラント・ファン・レイン「シメオンの賛歌」
Rembrandt van Rijn, Simeon's Song of Praise, 1631

 シメオンからあふれる神聖な光は、イエス自身から輝いているように見える。レンブラントがこのシーンを描いたときは25歳であった。


ジャン・シメオン・シャルダン
(Jean-Baptiste Siméon Chardin, 1699年11月2日 - 1779年12月6日)
フランスの画家。 中産階級のつましい生活感のある静物画の作品が知られている。台所の食器類や食材などを題材とする素朴な画風。 題材や写実表現など、17世紀オランダ絵画の影響が顕著に見られる。


【シャルダン「銅鍋、チーズ、卵のある静物」】
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ジャン・シメオン・シャルダン「銅鍋、チーズ、卵のある静物」
Jean-Baptiste-Siméon Chardin, Still Life with Copper Pot, Cheese and Eggs, c. 1730 - 1735

 この作品は17世紀のオランダの静物のように見えるが、18世紀にパリの画家シャルダンによって描かれている。彼は、大きな銅鍋、2つの陶器製のすり鉢、チーズ、卵など、日常的なものを組み立てて、柔らかな光の中に配置しいる。特に、銅鍋の温かい素朴な質感は、ほのぼのとさせる。


ジェラルド・テル・ボルチ
(Gerard ter Borch 1617年 - 1681年12月8日)
バロック期のオランダ画家。17世紀のオランダで裕福で中流階級の生活の雰囲気を忠実に再現した画家。
【ジェラルド・テル・ボルチ「手紙を書く女性」】
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ジェラルド・テル・ボルチ「手紙を書く女性」
Gerard ter Borch, Woman Writing a Letter, c. 1655

 手紙を書いているこの女性は、フェルメールのような感じの作品。
女性はテーブルに座って、高価な東洋のテーブルクロスを押し上げ、手紙書いている、中流階級の生活の雰囲気が分かる。


ピーテル・パウル・ルーベンス
(Peter Paul Rubens1577年6月28日 - 1640年5月30日)
 バロック期のフランドルの画家。ルーベンスは大規模な工房を持ち、歴史画、肖像画、風景画など多数の作品を残している。また、外交官としても活躍している多彩な画家。

【ルーベンス「老女とろうそくの少年」】
ルーベンス「老婆とろうそくの少年」IMG_0511
ピーテル・パウル・ルーベンス「老女とろうそくの少年」
Peter Paul Rubens, Old Woman and Boy with Candles, c. 1616 - 1617

 老女は、ろうそくの光から目をそらし、ろうそくに手をかざしている。背後の少年は、ろうそくを持って火をつけようとしている。この発想はルーベンスがカラヴァッジョの作品をみて描いたと言われている。


ピーター・ファン・アンラート
(Pieter van Anraedt  c.1635 – 13 April 1678)
オランダの黄金時代の画家。この画家は、ジェラルド・テル・ボルチの影響を受けている。

【ピーター・ファン・アンラート「土器の水差しと粘土パイプのある静物」】
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ピーター・ファン・アンラート「土器の水差しと粘土パイプのある静物」
Pieter van Anraadt, Still Life with Earthenware Jug and Clay Pipes, 1658

 この静物画は、アンラートの知られている作品はすべて肖像画であるため珍しい作品。
彼はこの絵を描いたとき、若かったが、土器の水差し、グラス、タバコとパイプなど、各素材の質感を素晴らしく描いている。左から入る柔らかな光は、各静物の立体感をだしている。



ウィレム・カルフ
(Willem Kalf, 1619年-1693年)
 17世紀後半に活躍したオランダの静物画家。初期の素朴な作品から、次第に華美な静物画へを描く。

【カルフ「シルバープレートにフルーツとワイングラスのある静物」】
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ウィレム・カルフ「シルバープレートにフルーツとワイングラスのある静物」
Willem Kalf, Still Life with Fruit and Wineglasses on a Silver Plate, c. 1659 - 1660

 グラスの質感をはじめ、果物、布、金属類の存在感ある描写は目を引く。豪華な高級感ある作品に
なっている。


ピーテル・クラース
(Pieter Claesz, 1597年頃 - 1660年1月1日)
オランダ黄金時代に活躍した画家。

【ピーテル・クラース「グラスのある静物」】
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ピーテル・クラース「グラスのある静物」
Pieter Claesz, Still Life with Tazza, 1636
 思わず近寄って見て目を凝らしたくなるほど、各素材が描きこまれている。また、単色に近い画面は
優しい雰囲気を醸し出している。

【ピーテル・クラース「ろうそくのある静物」】
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ピーテル・クラース「ろうそくのある静物」
Pieter Claesz、ろうそくのある静物、1627
 色数を制限しモノトーンに近い色彩で描く静物画を専門としている。
ろうそく足の真鍮、グラスのワインなど、さまざまな素材の質感を完全に表現している。また、ろうそくの光と反射、影の描写は見事だ。


ハンス・ホルバイン
(Hans Holbein, 1497年/1498年 - 1543年)
ルネサンス期の画家。ドイツの画家ハンス・ホルバインは、イギリスに永住し、傑作を残している。

【ハンス・ホルバイン「ロバート・ チェズマンの肖像」】
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ハンス・ホルバイン「ロバート・ チェズマンの肖像」

 驚くべき絵画技法は、男の意図的な視線、光沢のあるサテン、真鍮の鈴などに見られる。

<了>

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